英文読解や文法問題でよく登場する「関係詞」には、「関係代名詞」と「関係副詞」の2種類があります。見た目は似ていても、その文の構造や役割に大きな違いがあります。
この記事では、「完全文」「不完全文」といった判断基準を用いて、関係代名詞と関係副詞の違いをわかりやすく解説します。
■ 関係代名詞とは?
関係代名詞は、2つの文をつなぐ際に 名詞(人・物)を説明する節 を作るために使われます。
例)This is the book. I bought it yesterday.
→ This is the book that I bought yesterday.
このとき、「that」が「it(目的語)」の役割をしており、文の中の一部を「代名」しています。
このように、関係代名詞が使われると、関係代名詞節(I bought yesterday.)はboughtという他同士があるにも関わらず、その後に目的語を取らない不完全文(=一部が欠けている文) になります。
■ 関係副詞とは?
一方で、関係副詞は 時間・場所・理由・方法 などを表す名詞(先行詞)を説明し、2つの文を自然につなぐために使われます。
例)I remember the day. We met on that day.
→ I remember the day when we met.
この場合、「when」が「on that day」という副詞句の代わりをしており、関係副詞の後ろに続く関係副詞節(we met)は文の中に必要な要素(主語・目的語など)はすでに揃っている=完全文 になります。
■ 関係代名詞と関係副詞の構造上の違い
関係詞の種類 | 関係代名詞 | 関係副詞 |
---|---|---|
修飾する名詞 | 人・物 | 時間・場所・理由・方法 |
文の役割 | 主語・目的語など(文の一部) | 副詞的な説明(文の外側) |
節の構造 | 不完全文(SまたはOが不足) | 完全文(SとVとOがそろっている) |
例 | I know the man who called me. | I remember the time when he called. |
■ 完全文と不完全文の見分け方
文法問題や読解では、関係詞が入る箇所の「節の構造」を見ることがカギになります。
【不完全文の例(関係代名詞)】
This is the book (that) I bought ____.
→ I bought the book.(主語I・動詞bought・目的語が欠けている)
【完全文の例(関係副詞)】
This is the place (where) we met.
→ We met at the place.(主語・動詞・その他の要素がすべてある)
つまり、関係詞節の中で SやOが欠けていれば関係代名詞、不足がなければ関係副詞 と判断できます。
■ よく出る関係副詞と関係代名詞の書き換え
- when → on which
- where → in which / at which
- why → for which
- how → in which(ただし省略されやすい)
また、関係代名詞と間違いやすいものに以下があります。
- that(人・物両方に使える関係代名詞)
- what(関係代名詞ではなく複合関係詞、「〜すること」)
■ まとめ
・関係代名詞は文の一部(主語・目的語など)を補うため、不完全文になる
・関係副詞は文全体を副詞的に修飾するため、完全文になる
・文の構造を確認すれば、どちらを使うべきか見分けやすい
・「完全文=関係副詞」「不完全文=関係代名詞」のルールで整理すると効果的
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