英語の文法において、「不定詞(infinitive)」は非常に基本的かつ重要な表現です。「to + 動詞の原形」の形で使われ、さまざまな役割を果たします。名詞・形容詞・副詞として機能し、また特殊な表現にも多く用いられるため、その使い方をしっかりと整理して理解することが大切です。
不定詞の基本用法
不定詞は文中で名詞・形容詞・副詞として使われるのが基本です。それぞれの用法について詳しく見ていきましょう。
1. 名詞用法:〜すること(主語・目的語・補語)
「to + 動詞の原形」が文の中で主語、目的語、補語として機能します。
✔ 例文:
- To study English is important.(英語を勉強することは大切です。)←主語
- I want to visit Paris.(私はパリを訪れたい。)←目的語
- His dream is to be a pilot.(彼の夢はパイロットになることです。)←補語
⚠ 注意:前置詞の直後には不定詞は使えません。
例:× I’m interested in to swim. → ○ I’m interested in swimming.
2. 形容詞用法:名詞を修飾する(後ろから)
不定詞が名詞を後ろから説明する形です。特に「something」「nothing」「the first」「the last」などの語と一緒に使われることが多いです。
✔ 例文:
- I have nothing to do today.(今日は何もすることがない。)
- He was the first person to arrive.(彼が最初に到着した人だった。)
3. 副詞用法:目的や理由などを表す
不定詞が「〜するために」「〜して」などの意味を持ち、動詞や形容詞、副詞を修飾します。
✔ 例文:
- I went to the library to study.(勉強するために図書館に行った。)
- She is happy to see you.(彼女はあなたに会えて嬉しい。)
✍ 類似表現:
- in order to, so as to(ややフォーマル):
To pass the exam → In order to pass the exam
※in order toは文頭にも置けます。
不定詞の特殊用法(be動詞 + to 不定詞)
不定詞は「be + to + 動詞の原形」という形でもよく使われます。この構文は、名詞用法の一部(補語)として使われる場合と、文の内容に特別な意味を加える場合があります。
1. 名詞用法としての例(基本の延長)
✔ 例文:
- My hobby is to watch movies.(私の趣味は映画を見ることです。)
この場合、「to watch movies」は「be動詞の補語」として、名詞の役割を果たします。
2. 特殊な意味を持つ用法
この形には以下のような「意味の違い」があり、文脈によって解釈が変わります。
用法 | 意味例 | 例文 |
---|---|---|
義務 | 〜しなければならない | You are to obey the rules.(規則に従わなければならない) |
予定 | 〜する予定になっている | The meeting is to be held tomorrow.(会議は明日開かれる予定です) |
運命 | 〜する運命にある | He was never to see her again.(彼は二度と彼女に会うことはなかった) |
可能 | 〜できる | No solution is to be found.(解決策は見つけられない) |
意図 | 〜するつもり | I am to start a new job next month.(来月新しい仕事を始める予定です) |
「be + to不定詞」は「〜することになっている」と訳せば、上記の全ての意味をカバーできます。
(つまり、話し手の主観的意志ではなく、客観的事実に基づいた未来・義務・予定など)
不定詞 vs 動名詞の違い
文法項目 | 不定詞(to + 動詞原形) | 動名詞(〜ing) |
---|---|---|
用法の違い | 名詞・形容詞・副詞・特殊構文など | 名詞の役割のみ |
前置詞の直後 | × 不可 | ○ 可 |
意味のニュアンス | 未来志向(これからすること) | 過去・経験志向(したこと) |
例 | I want to eat sushi. | I enjoy eating sushi. |
まとめ
不定詞は、英語学習の中でも非常に出現頻度が高く、文の構造を理解する上で不可欠な要素です。
- 「to + 動詞の原形」が基本形
- 名詞・形容詞・副詞として使われる基本用法を押さえる
- 特殊な意味を持つ「be + to不定詞」構文も理解する
- 前置詞の後には使えない(その場合は動名詞を使用)
- 不定詞と動名詞の違いにも注意する
しっかりと使い分けを覚えて、表現力を広げていきましょう!
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