英語学習でよく混乱するポイントの一つが「前置詞」と「接続詞」の使い分けです。どちらも意味が似ている単語が多く、文法的な使い方を理解していないと間違いやすい部分です。この記事では、それぞれの役割と用法、見分けるコツ、そしてTOEICで注意すべきポイントを解説します。
■ 前置詞(Preposition)とは?
前置詞は、名詞や名詞句の前に置かれ、その語を文中の他の要素とつなぐ役割を持ちます。前置詞+名詞(または動名詞や名詞節)は、形容詞または副詞のように働きます。
例文:
- The book on the desk is mine.(机の上の本 → 形容詞句)
- He waited for 30 minutes.(30分間 → 副詞句)
- It depends on what time the game starts.(試合が何時に始まるかによる → 名詞節)
名詞のような働きをするもの(動名詞、名詞節など)も前置詞の目的語として置くことができます。
■ 接続詞(Conjunction)とは?
接続詞は、文(SVを含む)と文をつなぐ役割をします。たとえば、「〜なので」「〜だけれども」などの理由や対比を表す際に使います。
例文:
- I was tired, so I went to bed early.(疲れていたので早く寝た)
- Although it was raining, we went hiking.(雨が降っていたけれど、ハイキングに行った)
注意1:文頭の副詞と混同しない
副詞は文の接続を手助けするように見えますが、実際には文と文を「文法的に」つなぐことはできません。
- He said yes. However, he lied to us.(「however」は副詞なので接続詞ではない)
注意2:似た意味の前置詞と接続詞を区別する
意味が似ていても、前に置けるもの(名詞か文)によって使い分けが必要です。
- Although / Though(接続詞) vs. Despite / In spite of(前置詞)
- Because / Since(接続詞) vs. Because of / Due to(前置詞)
- By the time(接続詞) vs. By(前置詞)
■ 接続詞にも前置詞にもなれる単語
以下の単語は、前置詞にも接続詞にもなれる柔軟な語です。使う際には、後に来る要素が「名詞」なのか「SV構造(文)」なのかを見て判断しましょう。
- Before:I went home before lunch.(前置詞)/ I went home before he arrived.(接続詞)
- After:After the meeting(前置詞)/ After she left(接続詞)
- Since:Since last year(前置詞)/ Since he moved(接続詞)
- Until:Until 5 PM(前置詞)/ Until she returns(接続詞)
■ TOEICでの注意点とポイント
TOEICでは、空所に前置詞か接続詞かを問う問題が頻出します。以下の点を押さえておくと、正解しやすくなります。
- 空欄の後ろがSVなら接続詞、名詞(または名詞句)なら前置詞
- 似た意味のペアを整理して暗記する(例:although vs despite)
- 「名詞節」が目的語として使われるパターンを理解する(It depends on what〜)
■ まとめ
- 前置詞:名詞や名詞句を導く。文の要素を説明する。
- 接続詞:文(SV)同士を論理的につなぐ。
- 後ろに来る要素で区別できる(名詞なら前置詞、SVなら接続詞)
- 意味が似ていても使い方が違うものは、セットで覚えると便利。
前置詞と接続詞の違いをしっかり理解することで、英文の構造を正確に読み取れるようになります。TOEICの文法問題にも頻繁に登場するので、基礎を押さえておきましょう!