英文法を学ぶ上で、混同しやすいのが「形容詞(adjective)」と「副詞(adverb)」の違いです。どちらも「修飾語」と呼ばれ、文の中の他の要素をより詳しく説明する役割がありますが、何を修飾するのかに大きな違いがあります。この記事では、形容詞と副詞の基本から応用まで、例文を交えてわかりやすく解説します。
■ 「修飾」とは?
修飾とは、ある語句をより詳しく説明することです。英語における修飾語には、主に形容詞と副詞があります。たとえば、「青い空」のように、「空(名詞)」を「青い(形容詞)」が詳しく説明しています。
■ 形容詞(Adjective)とは?
形容詞は、名詞を修飾する語です。つまり、人物や物事の性質・状態・特徴などを説明します。基本的には、修飾する名詞の直前に置かれるのが一般的です。
基本的な例:
- a beautiful flower(美しい花)
- an old building(古い建物)
補語として使われる形容詞:
形容詞は、be動詞や感覚動詞(look, sound, feelなど)のあとに置かれ、補語(主語の状態を説明する語)として使われることもあります。
- His house is big.(彼の家は大きい)
- The soup smells good.(そのスープは良い香りがする)
語尾が〜thing、〜one、〜bodyの名詞を修飾する場合:
これらの名詞は、不特定の人・物を表すため、形容詞は名詞の後ろに置くのが特徴です。
- something interesting(興味深い何か)
- someone famous(有名な誰か)
- nobody important(重要な誰でもない)
■ 副詞(Adverb)とは?
副詞は、名詞以外(動詞・形容詞・副詞・文全体)を修飾する語です。動作の様子や頻度、程度、時間などを詳しく説明します。
動詞を修飾する副詞:
- He runs fast.(彼は速く走る)
- She sings beautifully.(彼女は美しく歌う)
形容詞を修飾する副詞:
副詞は形容詞の前に置かれ、程度を強調します。
- He is very tall.(彼はとても背が高い)
- It’s extremely cold today.(今日は非常に寒い)
文全体を修飾する副詞:
副詞が文頭に置かれて、話者の態度や意見を表すこともあります。
- Clearly, he is innocent.(明らかに彼は無実だ)
- Honestly, I don’t like it.(正直言って、私はそれが好きではない)
■ 形容詞と副詞の見分け方のコツ
日本語訳では違いがわかりにくいこともあります。見分けるには、「何を修飾しているのか」に注目しましょう。
- 名詞を詳しく説明 → 形容詞
- 動詞や形容詞を詳しく説明 → 副詞
例題:
次の文の中で、副詞はどれでしょう?
She answered the question quickly.
→「answered(答えた)」という動詞を「quickly(素早く)」が修飾しているため、「quickly」は副詞です。
■ まとめ
- 形容詞:名詞を修飾する。位置は名詞の前、または補語。
- 副詞:動詞・形容詞・文全体などを修飾。柔軟に位置が変わる。
- 文中の役割を意識すれば、見分けは自然とつくようになります。
英語の文法において、形容詞と副詞の使い分けを正しく理解することは、正確で自然な英語表現への第一歩です。TOEICや英会話にも活かせる知識なので、ぜひこの機会に整理してみてください。